チュートリアル:3 ヒンジラーメン
3 ヒンジラーメンは静定構造です。3 つのつり合い式に、ヒンジで という条件を加えれば、4 つの支点反力がすべて求まります。そのため、EduBeam が描くすべての数値を確かめるのにうってつけのモデルです。所要時間は約 15 分です。

モデルを眺めるだけなら、完成したモデルを開いてください。
問題
- 高さ 4 m の柱が 2 本あり、柱脚 A と E はピン支点で、間隔は 8 m です。
- 柱の上に水平な梁 B–D があり、スパン中央 C にヒンジがあります。
- 梁全体に等分布荷重 kN/m が作用します。
- 鋼( GPa、 GPa)、IPE 300( cm²、 cm⁴、 mm)。
| 節点 | X [m] | Z [m] | 支点 |
|---|---|---|---|
| A | 0 | 0 | ピン |
| B | 0 | −4 | |
| C | 4 | −4 | (梁のヒンジ) |
| D | 8 | −4 | |
| E | 8 | 0 | ピン |
z は下向きなので、柱の頂部は Z = −4 にあることに注意してください。
1. 材料と断面
- モデルをクリア(材料を削除と断面を削除にチェック)。
- 材料 → 材料ライブラリ → Steel (S235)。
- 断面 → 断面を追加:
断面積 = 0.00538、Iy = 8.356e-5、高さ = 0.3、せん断補正係数 = 1。
断面が影響するのは変位だけです。このラーメンは静定なので、断面力は 、、 にまったく依存しません。
2. ラーメンを描く
いちばん速いのは、マウスで 1 本の折れ線として描く方法です。
- グリッドにスナップがオンになっていることを確認します(S チップ)。
- 要素タブ → 2 つ目の要素を追加ボタン(カーソルアイコン)。
- (0, 0)、(0, −4)、(4, −4)、(8, −4)、(8, 0) の順にクリックします。定規とクロスヘアを見ながら位置を合わせてください。クリックするたびに節点が追加され、直前の節点と接続されます。
- Esc で終了し、F でラーメンを画面に合わせます。
これで 5 つの節点と 4 つの要素ができました。ここでの図では節点を A–E と表記しています。必要なら節点の表で名前を変えるか、1–5 のままにしてもかまいません。表で座標を確認し、グリッドからずれたものがあれば修正してください。
3. 支点とヒンジ
- 節点 A をクリックし、支点条件を開いてピンを選びます。節点 E も同様にします。
- 要素の表で B から C への要素を探し、終端のヒンジ(材端ヒンジの 2 つ目のボックス)にチェックを入れます。

ヒンジは 1 つで十分
要素 B–C の終端にヒンジを付ければ十分です。C で剛に接続しているのは C–D だけなので、C–D のモーメントを受け取る部材がなく、C のモーメントは 0 になります。C–D の始端にもチェックを入れても何も変わりません。ところが B にもヒンジを付けると、ラーメンは不安定構造になります。試してみてください。EduBeam がその動き方を見せてくれます。
4. 荷重
荷重 → 要素荷重を追加 → 等分布荷重、要素 B–C、fz = 10 kN/m。要素 C–D についても同じ操作を繰り返します。梁は水平なので、ここでは LCS のボックスは結果に影響しません。
5. 結果
表示オプションでは、初期状態で変位図、曲げモーメント、反力がオンになっています。残りを見るには N (x) と Vz (x) にチェックを入れます。




6. 手計算で確認する
鉛直反力。 対称性から、各柱脚が荷重の半分を負担します。
水平反力。 ラーメンの左半分について、ヒンジ C まわりのモーメントを考えます。そこでのモーメントは 0 でなければなりません。
両方の柱脚は 20 kN で内側に押しています。この水平推力こそが、3 ヒンジラーメンを効率的な構造にしています。
断面力。
| 量 | 式 | 手計算 | EduBeam |
|---|---|---|---|
| 鉛直反力 | 40 kN | 40 kN | |
| 水平反力 | から | 20 kN | 20 kN |
| 隅角部 B と D のモーメント | 80 kNm、外側引張 | −80 kNm | |
| ヒンジ C のモーメント | 0 | 0 | |
| 柱の軸力 | −40 kN | −40 kN | |
| 梁の軸力 | −20 kN | −20 kN | |
| 柱のせん断力 | 20 kN | −20 kN(A–B)、+20 kN(D–E) | |
| B での梁のせん断力 | 40 kN | 40 kN | |
| C での梁のせん断力 | 0 | 0 | |
| D での梁のせん断力 | −40 kN | −40 kN |
2 本の柱は同じ大きさの力を負担しているのに、せん断力の符号が逆です。各要素のローカル座標軸は要素の向きに従い、A–B は上向き、D–E は下向きに描かれているからです。片方の柱の節点を入れ替えると、符号が反転します。
梁では kNm(x は B から)で、ヒンジで 0 になり、正になることはありません。梁全体が上側引張です。せん断力 はちょうど C で 0 になるので、モーメントの極値もヒンジの位置にあります。
変位。 ヒンジ C は 43.1 mm 沈みます(結果 → 節点結果、C の Dz)。これは 4 つの部材すべての曲げによるもので、仮想仕事の原理のよい練習問題になります。
7. いろいろ試す
- C のヒンジのチェックを外す。ラーメンは 1 次不静定になり、隅角部のモーメントが小さくなって、スパン中央に正の曲げモーメント(下側引張)が現れます。今度は断面が影響します。より剛な梁を試してみましょう。
- 柱脚を固定する(固定の支点を選ぶ)。A と E にモーメントが生じます。
- 水平荷重を加える:B に節点荷重
Fx = 10kN。ラーメンは水平に変位し、反力は左右対称でなくなります。同じ 3 つの式と で確かめてみましょう。 - B にもヒンジを付ける。ラーメンは不安定構造になり、EduBeam がその動き方をアニメーションで示します。